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ポケモン新作のおかげでようやく海外でも売れ出したニンテンドー3DS

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パズドラ、 魔法使いと黒猫のウィズ、ガールフレンド(仮)といったスマートフォンやタブレットでプレイできるゲームの爆発的ヒットにより携帯ゲーム機を必要とせず手軽にゲームができるようになった。海外では、この傾向が強く携帯ゲーム機全体の市場が不振だった。

そ うはいっても日本では、ニンテンドー3DSやPS Vitaと携帯ゲーム機はいまだにそれなりに人気がある。これに対して海外はニンテンドーDSが売れていた頃に比べ、かなり苦戦している。特にニンテン ドー3DS(以下、3DS)が売れないのだ。こうした状況が2013年秋にポケモンの新作が登場したことにより、2013年末のクリスマス商戦から3DS 販売に勢いがついたがようだ。しかし、このゲーム機ならではの楽しみ方を知らない方も多いようで、DSと同等に普及するのはかなり難しそうだ。

■相変わらずの「すれちがい通信」不況
昨 年「日本じゃ余裕だけれども・・・ すれちがい通信を使って3DSの北米での普及度合を調べてみた」という記事で調査したように3DSの特徴の1つに、「すれちがい通信」機能がある。本体内 蔵のWi-Fiが届く範囲に、他の3DSが近づくと自動的に通信し合いデータをやり取りし、ゲーム内のアイテムを交換できるような仕組みだ。この仕組みを 活かすには、電源を切らずにスリープ状態にし、移動時には常に持ち運ぶことが必要だ。

しかし海外では子供のユーザーにメインに売れているこ ともあり、本体を持っていても、この機能の存在すら知らないユーザーが多いようだ。日本では、人口が密集していることもあり、数時間で多数の「すれちがい 通信」が体験できる。しかし、海外で国土が広い地域や、人口の少ない地域では、3DS所有者が近くに来ること自体が珍しいためそれも難しい。

任 天堂はそのような環境でも「すれちがい」を楽しめるように、「すれちがい通信中継所」という新しい仕組みをつくり「すれちがい」をしやすくした。アメリカ ではすれちがいすることが少なかったが、ポケモンの新作や廉価版の2DSもあり本体自体がある程度売れ、中継所もできたため、2014年に入ると以前に比 べ、すれちがいはしやすくなっている。しかし、日本に比べると、昨年同様その機会はかなり少ないと言える。

■機能があることを知らないアメリカの子供たち
実際に、アメリカで3DSユーザーの中心である子供の使い方を見ていると、DSの時と同じようにゲームを遊んだ後には、即座に電源を切るなど、すれちがい通信の機能を活かせていないケースも多い。これは、そもそもすれちがい通信という機能があることを知らないからだ。

も ちろん、この機能を理解して楽しんでいるユーザーも増えつつある。そうしたユーザーが、3DSを持つ友人にすれちがい通信の楽しみ方を教え合うことで、よ うやく普及が始まっている。日本でも3DS発売当初しばらくは似たような状況だったが、ようやく日本における2年前と同等のような状況がやってきたと言え る(発売してから3年目ではあるが・・・)。

このように3DSならではの楽しみ方が今後ゆっくりと伝わっていくだろう。ただ、AndroidやiOS端末でプレイするゲームも進化しつつあり、携帯ゲーム機が全盛だった頃ように爆発的に普及する時代は、もはや終わりを告げたと見たほうがいいのかもしれない。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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