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App Annie、「App Annie Japanゲームアワード 2014年秋」を発表。

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App Annie(アップアニー、本社:サンフランシスコ、CEO:Bertrand Schumitt)は、2014年10月9日、盛況だった東京ゲームショウ2014に続き、「Japan App Annie ゲームアワード2014秋」と題して、2013年9月から2014年8月を振り返り、最も実績の高かった日本のゲームアプリを発表した。

今日、iOS、GooglePlayの両アプリストアにおいて、日本は最も売上規模の大きいゲーム市場で、世界中のゲーマーは日本のゲームに夢中であり、日本のゲームパブリッシャーはグラフィックスやゲームデザインに革新をもたらすことで新たなゲームジャンルを作り上げ、繁栄を築いている。

目次
1. App Annieアワードについて
2. ロングセラー・アワード
3. ファストムーバー・アワード
4. マネタイゼーション・アワード
5. ワールドワイド・サクセス・アワード
6. トップ海外ゲーム・アワード

1. App Annieアワードについて
このレポートは、アプリ市場の優れたデータであるApp Annie Intelligenceを元に編集している。

2. ロングセラー・アワード
概要:ロングセラー・アワードは、App Annieの月間ランキングでTop5にランクインした回数を元に選出した。
対象:2013年9月から2014年8月の12ヶ月間に、日本のiOS AppStore、GooglePlayの月間ダウンロード数ランキング、または月間収益ランキングの上位5位以内にランクインした日本のゲームが対象となる。ダウンロード数や収益はApp Annie Intelligenceの推計データを元に集計している。
趣旨:このアワードでは、それぞれのゲームがどれだけ長い間パフォーマンスを維持できるかに着目している。長期に渡る成功は、ゲームデザイン、ゲームアップデート、ユーザー獲得施策、ユーザー維持の戦略などによってもたらされる。ロングセラーゲームはパブリッシャーにとって確固たる収益基盤となる。そのようなアプリを維持、発展させることに注力することは新しいタイトルを開発するよりもコストを抑えられるからである。また、新たなユーザーを獲得するよりも既存タイトルのユーザーを維持するコストのほうが低いだけでなく、新規タイトルと既存タイトルとのクロスプロモーションも行いやすくなるとしている。

「パズル&ドラゴンズ」が3つのロングセラー・アワードでチャンピオンとなり、カジュアルゲームとしては2種類のLINEゲームがランクイン

GungHo Onlineの「パズル&ドラゴンズ」は集計対象の12ヶ月間においてiOSとGoogleplayの両プラットフォームで収益ランキングのTop5を維持し続け、リリースから2年以上経過しているにもかかわらず隆盛を誇っている。それだけでなく、GooglePlayでは10回もダウンロード数ランキングのTop5にランクインするほど、新規ユーザーを獲得し続けている。おそらく今後も月間ランキングに何度も顔を出すと考えられるとしている。これに匹敵するのがCOLOPLの人気タイトル「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」。集計対象の12ヶ月間中、iOSの収益ランキングに11回、GooglePlayでは12回ランクインしていた。

「パズル&ドラゴンズ」は2012年2月に「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」は2013年3月にリリースされた。両者はともにRPGやカードゲームの要素とシンプルなパズル、カジュアルゲームの要素を組み合わせたものであるが、ストーリーライン、バトル、キャラクターの成長、モンスター育成、カード収集など、様々な要素が豊富に織り込まれている。このように豊かなゲーム性がプレイヤーが費やすプレイ時間を増やし、さらにはゲーム内課金の機会を生むことにもなっている。どちらのゲームも類似ゲームがまだ少なかった2012年後半から2013年前半にかけて大きく成長した。最近、より多様なゲーム要素を統合したゲームがさらに増えている。その中から次のロングセラー・アワードが生まれる可能性があるとしている。

3. ファストムーバー・アワード
概要:ファストムーバー・アワード(The Fast Mover Award)は、短期間で日別のダウンロード数や収益ランキングのTop5にランクインしたゲームを選出した。
対象:2013年9月から2014年8月の12ヶ月間に、日本のiOS AppStore、GooglePlayの月間ダウンロード数ランキング、または月間収益ランキングの上位5位以内にランクインした日本のゲームが対象となる。ダウンロード数や収益はApp Annie Intelligenceの推計データを元に集計している。
趣旨:このアワードでは、あるゲームがいかに短い期間でダウンロードを得られていたかに着目している。ゲームやパブリッシャーのブランド力、プラットフォーム、チャネル、効果的なマーケティングやキャンペーンなどが関わってくる。

ファストムーバー・アワードはユーザー獲得の強い地盤を持つLINEから複数のゲームがランクイン

「LINE POP」はiOS版のリリース当日にiPhoneランキングのトップに、Android版はリリース後3日目でGooglePlayのダウンロード数ランキングでトップとなった。また、GooglePlayではリリース後9日目で収益ランキングのTop5に入っている。同じくLINEプラットフォームの「LINE:ディズニー ツムツム」はiPhoneランキングではリリース後2日目に、GooglePlayのランキングではリリース後5日目でTop5に入っている。2014年6月には「LINE サッカーイレブン」がリリース後4日目でダウンロード数ランキングのTop5にランクインしている。以上のように、ゲーム配信プラットフォームとしてのLINEの存在感が目立つ。公式発表によると、LINEの登録ユーザー数は2014年8月に世界中で4億9千万に達しているとのこと。


「LINE POP」はiPhoneの無料ダウンロードランキングでリリース初日に1位

「LINE: ディズニー ツムツム」はリリース後2日目でiPhoneストアのダウンロードランキング1位に

4. マネタイゼーション・アワード
概要:マネタイゼーション・アワードは、日本のiOS AppStore、GooglePlayにおいて、そのゲームのリリース日から累積した収益を累積のダウンロード数で割った値(1ダウンロードあたりの収益)が最も高かったゲームを選出した。
対象:2013年9月から2014年8月の12ヶ月間に、日本のiOS AppStore、GooglePlayの月間ダウンロード数ランキング、または月間収益ランキングの上位5位以内にランクインした日本のゲームが対象となる。ダウンロード数や収益はApp Annie Intelligenceの推計データを元に集計している。
趣旨:ARPU(ユーザーあたりの収益)に類似する値として、ダウンロードあたりの収益データはアプリ内課金の収益性を示す良い指標となる。マネタイゼーションに影響する要因として、ゲームの設計、ゲーム内通貨の設計、キャンペーンを中心とする日々のオペレーションなどが挙げられ、これらはアプリ内課金の機会を創出し、ユーザーの課金を促す。優れたキャンペーン運用はゲームのライフサイクルを伸ばしたり、ユーザーを維持したりすることで顧客生涯価値を増やすことにつながるとしている。

「パズル&ドラゴンズ」、「プロ野球PRIDE」、「戦国炎舞 -KIZNA-」はどのプラットフォームでもマネタイズに成功

ここでも「パズル&ドラゴンズ」が突出した存在でトップとなっていた。以降、「プロ野球PRIDE」や「戦国炎舞 -KIZNA-」が iOS AppStoreとGooglePlayの両ストアで上位となっている。「パズル&ドラゴンズ」のほか、「プロ野球PRIDE」、「戦国炎舞 -KIZNA-」、「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」、「ドラゴンリーグX」といったゲームが他のゲームよりも上回っている。日本では、カードコレクションとロールプレイングのゲームが豊富なコンテンツを有しているため、他のジャンルよりも顧客生涯価値を増やしやすい傾向にあるようだ。カジュアルゲームは、ダウンロード数を多く獲得できる一方、ユーザー一人あたりからの収益は少ない傾向にあるようだ。

5. ワールドワイド・サクセス・アワード
概要:ワールドワイド・サクセス・アワードは、日本のゲームが日本国外の収益、ダウンロード数ランキングで10位以内にランクインした回数を元に選出した。
対象:2013年9月から2014年8月の12ヶ月間に、日本以外の国のiOS AppStore、GooglePlayの月間ダウンロード数ランキング、または月間収益ランキングの上位10位以内にランクインした日本のゲームが対象となる。ダウンロード数や収益はApp Annie Intelligenceの推計データを元に集計している。
趣旨:このアワードは多くのパブリッシャーが戦略上の目標として考えている海外の成功に着目している。
ローカライゼーションは他国でプロモーションを行う際の鍵となりる。その国のポップ・カルチャー、ゲームに対する消費行動、マーケティングやプロモーションのチャネルなどがローカライゼーションで考慮すべき主な要素となるとしている。

海外マーケットで成功する二つのパターンをLINE、GREE、DeNAが示している

日本のゲームが海外で成功を収めるには大きく二つのパターンがあるようだ。ひとつは「パズル&ドラゴンズ」、「LINE Rangers」、「LINE ポコパン」のように日本のポップカルチャーの影響にあるゲームである。その国のポップ・カルチャーが日本のポップ・カルチャーから大きな影響を受けているような台湾、タイ、インドネシアなどでは、多くの若者が自然とLINEでコミュニケーションを行い、ポコパンをしながら電車を待ち、パズドラで夜更かしをしている。ちょうど、彼らがセブンイレブンで買い物をし、ワンピースを読み、AKB48を聴き、日本のテレビドラマを見るように。
もう一つのパターンは、「Knights & Dragons」や「Modern War」に代表されるように、日本のゲーム会社の海外スタジオや子会社によって作られるゲームである。これらのゲームは当初から北米やヨーロッパの市場向けに作られているため、文化の壁やローカライゼーションなどは問題にならない。日本のパブリッシャーが世界中へ進出を図るのであれば、より多くの西洋向けゲームが作られていくことでだろう。DeNAの海外スタジオによって作られた「Transformers: Age of Extinction」はその最新例の一つで、中国、アメリカのほか、西洋諸国で多くのダウンロード数を獲得している。

6. トップ海外ゲーム・アワード
概要:トップ海外ゲーム・アワードは、日本において累積での収益やダウンロード数の多かった海外パブリッシャーのゲームを選出した。
対象:2013年9月から2014年8月の12ヶ月間に、日本のiOS AppStore、GooglePlayでダウンロード数や収益を得ていた海外パブリッシャーのゲームを対象となる。ダウンロード数や収益はApp Annie Intelligenceの推計データを元に集計している。
趣旨:このアワードでは、どのような海外ゲームが世界で最も大きなゲーム市場である日本で成功しているのかに着目している。

「Clash of Clans」と「Candy Crush Saga」はグローバル市場同様、日本でも最も成功している海外ゲーム

世界規模でも成功している「Clash of Clans」と「Candy Crush Saga」が日本でも人気である。また、「Frozen Free Fall」と「Despicable Me」はそれぞれ、映画「アナと雪の女王」、「怪盗グルーのミニオン危機一発」のヒットが背景にある。海外市場で成功した強力なゲームブランドやIPの力があれば、独自の際立ったポップ・カルチャーを持つような国でも成功できることを示している。

より詳細なアプリストア市場の分析に興味のある場合は App Annie Intelligenceの製品紹介ページを参照。

注:

・App Annie Index内のランキングはApp Annie Intelligenceのダウンロードと売上の推計値をもとに作成されている。日別のランキング推移やアプリストアのどこでフィーチャーされていたかといった情報はApp Annie Store Statsで誰でも利用できる。

・文中のゲームランキングは単一のアプリレベルでの集計となっており、ユニファイド・アプリではない。

・iOS AppStore、GooglePlayそれぞれのGamesカテゴリーに登録されているゲームが対象となっている。

・親会社に全てのアプリやパブリッシャーを集約している。例えば、Alim Ltd.からリリースされている『ブレイブフロンティア』のカンパニーはgumi inc.としてレポートされている。Store Statsのgumi Inc.のページにAlim Ltd.が含まれていることがわかる。『ブレイブフロンティア』のアプリはAlim Ltdのパブリッシャーページに含まれている。

・収益ランキングはiOS AppStoreとGooglePlayでのダウンロード課金やアプリ内課金を対象としている。アプリ内に表示される広告からの収益は含まれていない。

・ファストムーバー・アワードでは、「Top5にランクインするまでの日数」を日本でのリリース日(公式サイトやプレスリリースで確認する)を元に集計している。日数には最初と最後の日も含めてカウントしている。例として、「パズル&ドラゴンズ」の場合、日本のGooglePlayには2012年9月18日にリリースされたが、ダウンロード数ランキングにおいて9月23日に6位、9月24日に4位を記録した。この場合、5位以内に入るまで7日間を要したとカウントしている。

・ワールドワイド・サクセス・アワードでは、「日本のゲームが外国のTop10ランキングにランクインした回数」を元に集計している。2013年9月から2014年8月までの12ヶ月間において、無料ダウンロードランキングやトップセールスランキングの10位以内にランクインした回数である。例えば、ある日本のゲームが2013年12月の米国のランキングで5位、英国で7位、中国で9位となり、また、2014年4月にフランスのランキングで5位、英国で7位、台湾で4位となり、その他ではTop10圏外だった場合、このゲームが10位以内となった回数は6回となる。

・SupercellはSoftbankの子会社となるが、Supercellのオペレーションが海外で独立して行われていることを考慮して、このレポートでは海外企業として扱っている。

・App Annie以外のトレードマークや画像はどれもそれぞれの所有者に帰属する。App Annieがこれらの商標権を主張することはない。

【App Annie会社概要】
App Annieは、アプリやデジタルコンテンツのアナリティクス、市場データの業界スタンダードである。App Annieプラットフォームはアプリ事業者やマーケッター、機関投資家がアプリ市場の動向を理解するためのデータを提供し、より良い意思決定を可能にしている。App Annieはトップ100のアプリパブリッシャーの90%以上に使用され、約60万アプリが自社のダウンロード数や収益、ランキング、レビューなどをApp Annie Analyticsでトラックしている。App Annieは今日までで600億件以上のダウンロードおよび、170億米ドル以上の収益をトラッキングしている。App Annieは、サンフランシスコに本社を置き、260名以上の従業員を擁する非公開のグローバル企業で、アムステルダム、北京、香港、ロンドン、モスクワ、ニューヨーク、ソウル、上海、東京に拠点を構えている。

© 2014 App Annie.

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